|
File No.002/マスク 僕は民族のお面コレクターで部屋にもかなりの量のお面を飾っている。これは海外に行ったら必ず買ってくるもので大きなものは1メートルを超えるものだってある。木彫りされたソレは同じモノが2つとなく、そこから漂う雰囲気は独特のものを感じる。この話は僕と同じようにお面コレクターの方が実際に体験された奇妙なお話です。
向井啓二さん(仮名)は某海外流通センターの社長を務めるかたわら、根っからのお面コレクター。海外出張に行けば必ずお面を購入してくるのだが、この日は商談で南米から帰国する時の事、彼は村の雑貨屋で壁にかかった珍しいお面を見つける。
帰国して真っ先にマスクを梱包から取りだしまじまじと見つめる。・・・見事や。この表面の乾燥具合、ツヤ、そして表情。。彼は早速そのマスクを壁にかけると、旅の疲れを癒すようにゆっくりと眠りに入った。
深夜、ふと目が覚める。身体が熱い・・・。
な、何?!
部屋中が真っ赤になっている・・。
か、か、火事か?!
向井さんが飛び起きると、すーっと部屋は普通の状態に戻っていった。
何やったんや・・・。一体。。。
と、突然 プルプルプルー!!!!
電話機がこの静寂を破るようにけたたましく鳴り響いた。
「も、もしもし。。あ、あぁ、、おかんか、、びっくりするやんけ。どないしたんや?こんな遅くに。」
・・・何?!
父、ガ、死、ン、ダ、、、、、。
向井さんは取るモノとらず、深夜にタクシーを走らせ、急いで実家に戻った。
そんな慌ただしさも時が経つにつれ平常に戻り、彼は先日部屋で起こった不思議な出来事も忘れて日常の喧騒へと戻っていった。 彼は深夜の打ち合わせ後、帰宅するとよく冷えたバーボンのボトルに手をやった。これが彼の日課だ。こうやって落ち着いて飲むのは何日ぶりだろう。 一口ふくむと、なんとも形容しがたい、琥珀色のとがったヤツが喉を一気に刺激する。。彼は二口ほど口をつけるとそのままソファーで深い眠りに落ちていった。
何時頃だろう、ふと、全身に熱を感じ目が覚めた。
何?!またや・・・。
部屋が真っ赤に染まり、ものすごく熱を感じる。
こ、これは火事ではない・・。 そう、、これは血だ。血の赤だ!
その瞬間!けたたましく電話が鳴り、部屋はすっといつもの状態に戻っていた。
「も、もしもし。。!」
?!、何・・・・!?
なんと、先ほどまで一緒に仕事の打ち合わせをしていた同僚が、車に撥ねられ即死。。。。。
なんなんだ?
部屋が赤く変化するのと、この事故は何か関係があるのではないだろうか? もしや、、俺には予知能力があるのではないだろうか。。いずれも私の身近に起こる不幸を、知らされるよりも先に私は察知しているのではないだろうか??
彼は得意げになり、この能力が本物かどうかたしかめたくなった。そして親友の紹介で霊媒をメインにしている住職に相談してみる事にした。
「もしもし、、あぁ、、あの、、先日友人から紹介をうけました向井というものですが。。」
「あ〜、はいはい。どうしました?」
向井は手短に最近のできごとを語った。
「向井さん、、とおっしゃいましたね。。あなたの身辺で最近何か変わったものを身のまわりに付けてらっしゃらないでしょうか?」 「いや、、特に、、それよりどうでしょう?私にはそのような能力があるのでしょうか?」
「向井さん、あなたは非常に危険な状態なんです!何かあるはずです!思い出してください!!」
「・・・・そういえば、、先月南米に行った時に、土産屋でお面を買いましたけど。。」
「!!!!それです!向井さん!いいですか、明日お会いしましょう!それも早急にです!その時必ずそのお面を持ってきてください!必ずですよ!!」 そう言って電話が切れた。
何だと言うのだ、、たかがお面ごときに。。
向井はあまりにも住職の激しい口調に動揺しながらも、お面を壁から外すと、もとの包みへと戻した。 そして次の日、部下を連れて出張といい昨夜の住職の所へ車を走らせる。
「はじめまして。向井ですが・・」
「こんにちわ。で、例のお面はご持参いただけたでしょうか?」
向井は顎で部下に示すと、持っている包みを住職の手に渡すよう促した。
住職が包みを受け取る・・・。ガサガサ。
包みを完全に開けてしまったその瞬間!、
うわぁ!!!!!
突然、悲鳴とも呻きともつかない声を出して住職が倒れ込んでしまった。 近くにいた部下が支える。
「ど、どうしました!?、大丈夫ですか?」
「む、む、向井さん、、、あなた、、、コレはお面なんかではないですよ!、、、 に、に、人間の生首ですよ!!」
それは人間の顔の部分を剥がし、乾燥させたデスマスクだったのです。
|