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街の床屋でどんなヘアースタイルを注文しても、できあがりはスポーツ刈りというのが世間の常識なんだと、かの思想家ソクラテスが大声で叫んでいる時代からそうであったように、美容室とは女の子が行くもので、無精ひげ面
の小汚い小ヤジ(対義語「小ギャル」)は決して近づいてはいけない領域と理解していた。
床屋とは注文ができず切らないでといったモミアゲをザックリ切られたり、何も言っていない首すじを切られたり、とにかく切りたがる。挙げ句の果
て仕上がりは「ほれ男前のできあがり!」が、常である。逆に美容室となると優雅に雑誌を手に「そうねぇ〜前髪はモーむすにして、後ろはワカメちゃんにして」とかそういう注文にもニコニコ対応してもらえる。そういう美容室に禁断の園をイメージし、「今一番行きたいところ」No.1に輝き続けていたのである。そして好奇心旺盛で臆病者の僕はついに禁断の扉をたたく事となった。
「いらっしゃいませーっ!本日はどのような・・」ど、ど、どのような???、、散髪して欲しいねんけどな。。。ニコニコ。。オロオロ。。。「カットでございますかぁ?」「そそそそそ。カット!カットだよ〜」と、心はオロオロでも表向きは「美容室なんてしょっちゅー行ってるんだけどさ(なぜか標準語)まっ、近くに出来たっていうじゃない、腕前を拝見させてもらうよ!」みたいな顔をして、案内されるがままにイスに座らされ、シャンプーは前かがみでするものと準備していた矢先、「失礼しま〜す」の声とともにいきなりリクライニングし、なぜか後頭部にある洗面
台に頭をイヤというほどぶつけ、、「だ、大丈夫ですか〜!」のスタッフの姉〜さんの声も、仰向けに寝たままシャンプーができるとは知らなかった。とはさすがに言えず「ア、アハハ、、ちょっとボ〜っとしてて、、最近仕事が忙し〜からな〜アハ、アハハ。。(汗)」「・・・・(汗)」「本日はどのようなカットをお考えで・・?」「・・・・びくぅ!。い、い、今フウで、、こう〜、後ろから前に流れてるような。。最近の若い子がやってるようなかっこいいのがいいんですけど!」と訳のわからん注文をしそれでもお姉ーさんはニコニコとハサミを動かす。「ハイ、お疲れさまでしたぁ〜!」の声とともに鏡に映った自分は「美川憲一」そのものだったとは誰が想像しただろう。。。 |
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